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2023年3月の12件の投稿

2023年3月31日 (金)

いざ、関ヶ原!ツアー募集開始✨

ついに関ヶ原ツアーが募集開始になりました。

ゴールデンウィークは関ヶ原へ 5/5と5/6、両日同じ内容でツアーやらせていただきます。
去年の秋にモニターツアーで開催したコースです。
今回はお弁当とオヤツ付、ガイディングレシーバー、関ヶ原記念館入館料すべて込みの盛りだくさんツアーとなってます。

関ヶ原の合戦だけでなく、周辺をじっくり歩いて、関ヶ原の魅力を楽しみたいと思います。
壬申の乱とか、不破関とか、コンテンツ満載!
しっかり歩くので、関ヶ原の地形などから歴史を肌で感じることができます✨


車で回っても、いまいち分からないので、この機会にじっくりと歩きましょう♪

山城ガールむつみと巡る、初夏の関ヶ原ツアー【+オプショナル懇親会】 | 歴史ツアー,関ケ原町 | 戦国武将、歴史グッズの「小川新聞店」通販サイト (ogawashinbunten.com)

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2023年3月28日 (火)

那珂川町ツアーのレポ

栃木県那須郡那珂川町でツアーをやらせていただきました。
今回のツアーは、那珂川町観光協会さんからお声かけいただいたのがきっかけです。
「町の新しい観光資源を掘り起こしたい!」という想いから、観光協会さんが町内の城を調べて歩いたそう。
そうしたら、町内にたくさんの山城があることに気づき、私に連絡を下さいました。

那珂川町の山城でツアーが可能か?人が来てくれるような山城なのか?
そんなお問い合わせをいただいたので、那珂川町に伺って現地を案内していただきました。

そしたら…楽しい!中世の雰囲気を感じられる景観。


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那珂川町は栃木県の北東に位置し、那珂川と八溝山地に囲まれた自然豊かな土地です。八溝山地は茨城県との境になっていて、中世においても国境の地にあたるため、重要な場所だったと推察されます。
さらに、東山道が近くを通っていて、北に向かうとすぐに白河の関です。

那珂川は太平洋に注ぎ、河口には古くからの大湊「那珂川湊」があります

このように、太平洋航路に繋がる那珂川町内には、たくさんの古墳が築かれ、古代から水上交通、陸上交通が発達したエリアであることがわかります。
豊饒な地だったため、朝廷の穀倉地帯でもあったそう。



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さらに、なんと。
こんなものまで!
「古代産金の里」の称号!

747年の奈良の大仏造立の時にここから金が発見され、ここから奈良に金を運んだそう。
大仏造立の資金にもなり、大陸文化との交流の際の資金にもなったとのこと。
日本最古の産金の地!
すごーい。那珂川を使って、舟で運んだのかな。

と、いうことで那珂川町は色んなコンテンツが埋もれています✨
楽しい!!

そんな那珂川町を古代には豪族那須氏が領し、中世になると宇都宮氏が領しました。
宇都宮氏の庶流の武茂氏や松野氏が那珂川町に館や城を築いて支配拠点としました。
そして、佐竹氏、那須氏らの勢力との最前線になったのです。
那珂川町にはたくさんの山城があります。
今回のツアーでは、台の館と武茂城をめぐりました。

では、行ってみよー!
いざ、出陣!


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ツアーの前日は大雪で。
開催が心配でしたが、むしろ幻想的で素敵な景色が楽しめました✨
貴重な体験♪


「道の駅ばとう」で待ち合わせしたら、まずは松林寺へ。
ここは宇都宮氏の庶流松野氏ゆかりの寺です。
松野氏は鎌倉時代に承久の乱などでも活躍し、伊予国守護にもなった有力御家人宇都宮頼綱の孫、業義がここを領して松野氏を名乗ったとされます。
戦国時代にもここを拠点としていて、松林寺を取り巻く山陵部に松野城を築きました。
今回は山城には上がらず、お寺と、麓に築かれた台の館を訪れました。

 

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松林寺。
山門から本堂の高台を眺める。
館がここでもいいくらいの要害。
カッコイイ地形。


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松林寺は曹洞宗寺院。
自伝によると、松林寺は天正18年(1590年)に創建されたとされていますが、その前から前身になる寺があったとも伝わります。
境内には本堂を取り巻くように、腰曲輪のような平場が数段確認できます。
お墓には松野氏の家臣だったと伝わる氏族の名前が刻まれています。

 

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中世の石造物も数基確認できました✨
中世の残欠を見つけると嬉しい♡
お参りを終えたら、麓の台の館へ。


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松野城の遠景。
松野城は松林寺を挟むように両サイドに2つの城が築かれました。向かって左が松野北城、右が松野南城です。
その2つの城の間は「城の間」と呼ばれる谷となっています。
おそらく、その谷には街道が通っていたと思われ、さらに、その谷には「城間川」という那珂川の支流が流れています。

そして、城の麓には平時の居館と思われる方形居館が築かれていたと思われます。
その居館は「台の館」と呼ばれていて、現在でもわずかな土塁が確認できます。



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那珂川の支流「城間川」
松野北城と南城の間を流れています。
ちなみに松野北城は民地のため、現在入ることができません。
南城に関しては、松林寺から上がっていくか、山麓の二荒山神社から上がっていけます。



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二荒山神社の階段は上り甲斐があります。
結構大変(笑)

 

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台の館の土塁。
那珂川と支流城間川の合流地点の河岸段丘に築かれています。
この付近には江戸時代にもとてもにぎやかだった「久那瀬河岸」があります。

中世から川湊が存在してたのでしょう。

 

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土塁と堀に囲まれたきれいな方形居館の痕跡が残ります。
これだけで楽しい~♡
土塁とその手前の茶色い土の部分が、かつての空堀。

畑にするのに埋めてしまったんですね。


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台の館周辺には五輪塔や宝筺印塔などが残っていて、松野氏の痕跡を見ることができます。
三角の石造物には、貞和3年(1347年)の銘が入っているため、「貞和の碑」とよばれています。
「貞和」が北朝年号のため、松野氏と北朝の繋がりが想像できます。
また、この付近には「堂西」という屋号を持つ家があり、松野氏に関わる寺の存在も指摘されています。

 

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また、貞和の碑とともに、中世の五輪塔や宝筺印塔、天正16年(1588年)と慶長2年(1597年)の碑も並んでいます。
松野氏の存在をこれらの石造物から感じることができますね。

台の館は少し地味ではありますが、名族宇都宮氏の分家松野氏を知るには貴重な遺跡です。
方形居館としても楽しめますし、松林寺の台地、それを囲む南城と北城、宇都宮一族のシンボル二荒山神社、さらには那珂川と城間川の河川交通など、複合的に見るとものすごく面白いです。
中世が手つかずで残っているようで、この松野の空間、私は感動しました✨
こういう地域の魅力をもっとたくさんの人に伝えたいです。

 

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と、いうことでお昼ご飯です♪
お昼は「御前岩」でいただきました。
今回のツアー企画のために特別に作っていただきました。
豪華すぎる!!!
地のものがふんだんに使われていて、美味しかったです。
こんな素晴らしい食事を用意して下さって、感謝感激です。

 

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午後は武茂城へ!
武茂城は武茂泰宗が永仁年間(1288-1299)に築いたと伝わります。
武茂氏の最初の居館は武茂川対岸の「古館」だとするという伝承も伝わっています。
武茂城の築城当時の詳細は不明ですが、今に残る武茂城の遺構は戦国時代のものと考えられます。

乾徳寺を中心として、東西に城郭が築かれています。それぞれ、武茂西城、武茂東城ともよばれています。
松野城もそうでしたが、真ん中に谷があって、そこに寺が置かれて、寺を挟むように2つの城郭。
この地域の特徴的な築城だなと思いました。
他のお城も今度まわってみようっと。

今回のツアーは武茂西城へ。
東城は現在は荒れていて入るのが厳しいです。
将来的に整備して入れるようにしたいなぁ。

武茂城の南側には武茂川と並行するように街道が通り、交通の要衝地だったことがわかります。
武茂東城の南側に根古屋が形成されていたとされ、家臣屋敷があったと考えられています。
中世の城下を江戸時代に踏襲して整備したようです。
城下には鍵の手状のクランクなどが見受けられます。
江戸時代には宿場町として発展しました。交通の要衝ならではですね。


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城下町。いい雰囲気。


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武茂氏は宇都宮氏の庶流にあたります。
宇都宮景綱の3男泰宗が武茂の地を領し、武茂氏を名乗ったとされます。
泰宗は兄宇都宮貞綱が元寇の際に九州に赴くと、自身も同行したため、泰宗の子時綱が武茂荘を継ぎました。

南北朝期は本家である宇都宮氏と対立するものの、応永14年(1407年)には武茂氏の当主持綱が宇都宮家を継ぎました。
それにより、武茂氏は一度途絶えたため、永正3年(1506年)に宇都宮一族の芳賀正綱が武茂に入り、武茂氏を再興しました。正綱、もしくは3男の兼綱の頃に武茂城が築かれたともいわれています。

武茂氏は戦国時代には宇都宮氏に属しながらも、佐竹氏に属していました。
その後、豊臣政権下で武茂氏は佐竹氏の家臣団として常陸国大賀村に移封となりました。



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静神社から上ります。
ここもなかなかの階段。


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ただし、頑張って上ると素晴らしい遺構がお迎えしてくれます✨
見事な堀切や土塁、空堀が最高です。

これは、現地で是非体感して下さい。
また、ツアーもやると思いますので機会があればぜひ!!



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高低差がよく分かる!
かっこいい!



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ダイナミックで美しい空堀!



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広大な城なので、まだまだ歩ききれません。
何度も訪れて隅から隅まで見てみたいと思います。



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こんなですもん。1回のツアーじゃ、ムリムリ!
これは民俗資料館の展示です。冬期は閉館してます。

今回は左側の武茂西城に行きましたが、東と西で造り込み方が全然違うと感じました。

時期差なのか、用途の違いなのか?
そんなことも考えながら、またお邪魔しようっと。



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麓に降りて、曹洞宗寺院乾徳寺へ。
創建は寛正3年(1462年)と伝わっています。
武茂城の大手門と伝わる門が山門となっています。乾徳寺の参道が武茂城の大手道と考えられています。
この山門、当時から同じ位置にあるとも伝わるとても貴重な武茂城の遺跡です。

 

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乾徳寺は武茂氏の菩提寺で、境内には武茂一族の廟所があります。
武茂氏は宇都宮一族の中でも、重要な位置を占める分家でした。
宇都宮氏の当主が途絶えたときには、武茂氏から宇都宮当主が選ばれたほど。
宇都宮宗家と同じように和歌にも長け、歌人を輩出しています。
ぜひ、菩提寺にもお立ち寄り下さい。

 

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今回はモニターツアーだったので8人限定で2回開催しました。
皆さん、楽しんでくださったようで良かったです♪



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両日とも楽しかったです♪


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今回をスタートとして、歴史と山城で地域を盛り上げたいと那珂川町のみなさまが頑張ってます。
私も一緒に色々やらせていただきたいと思ってます。

今回、とても嬉しかったのがなす風土記の丘資料館の学芸員の初井さんがツアー両日とも丸々一緒に歩いてくださったこと。
一緒に歩きながら、私のガイドに補足してくれたり、質問にも答えてくれたり。
初対面と思えないほどに、なんだか息が合っていた気がします笑
とても楽しかったし、こういう発信の仕方いいなぁと思いました。
はじめてのパターンでした。

初井さんとも、今後もっと盛り上げたいね…などとお話しさせていただき、今後にますます期待が膨らみます。
那珂川町、熱くなりそう!🔥
頑張りたいです🔥

 

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那珂川町は便が悪いです。最寄り駅の氏家が遠い。バスがない。
なので、このツアーをはじめの一歩として、ツアーの時は宇都宮駅か氏家駅に送迎バスを出すなど、拡大していきたいと思います。
そんな話を那珂川町観光協会さんと話しました。
写真の方は観光協会の山口さん。
山城が町のコンテンツにならないかと、模索された方です。
声を掛けていただいて良かったです。

今後継続して、那珂川町で山城をテーマに町おこしできたらいいなとワクワクします。
初井さんとトークショーとかいいな。やりたいな。
またツアーもやりたいな。

と、いうことで那珂川町にぜひ足をお運び下さい✨



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ツアーにはケーブルテレビも来て下さって、地元の方にツアーの様子を届けてくれました。
地元の方が、興味もってくれると良いな。

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2023年3月26日 (日)

衣笠BASEと新井城&三崎城ツアーのお知らせ

衣笠BASEのお知らせと、同じ日の昼間に開催されるツアーのお知らせです。
よかったら朝から晩まで、一緒に楽しみましょう✨

〇新井城&三崎城ツアー
こちらはじっくり楽しく歩きます。
途中路線バス移動がありますが、三崎口駅から新井城へ戦いの痕跡や歴史ストーリーを拾い集めながら歩きます✨

新井城は本丸部分に入らなくても十分に楽しめるお城です。
三崎城も地形をしっかり見ながら歩くと、とても楽しいお城です。

https://www.hankyu-travel.com/tour/detail_d.php?p_course_id=SB367&p_hei=10

 

〇衣笠BASEvol.4の詳細が決まりました✨
ご都合よろしければお越しください♪

1時間程度のトークショー&1時間程度の懇親会のイベントです。
あと数名で締め切りです。

 

衣笠BASE vol.4

日時:2023年4月10日(月)19時~21時

会場:コリアンキッチンSORA

会費:3000円(税込み)

 

※要予約。予約はコチラ⇒rekitoki@rekitoki.com
(お申し込みはメールのみの受付とさせていただきます。お名前と電話を教えてください)
※当日現金払い
※軽食付き
※ワンドリンク制
※ドリンクは別途料金。個別会計。

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2023年3月24日 (金)

「堀川館」御城印発行

千葉県匝瑳市「堀川館」の御城印発行です✨
今は星宮神社が建っている場所に、かつて堀川館が築かれました。

千葉一族堀川氏と野手氏の抗争の舞台になった場所でもあります。
九十九里に面して、たくさんの城が築かれたエリアです。


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【堀川館のご説明】
堀川館は標高5mほどの砂州上の微高地を利用して築かれた居館です。堀川集落に残る館跡のため、「堀川館」とよばれていて、現在は星宮神社が鎮座しています。以前は、星宮神社の境内を囲むように堀と土塁が巡らされていたといいます。近年の道路工事でほとんどの遺構が消滅しましたが、現地に残るわずかな土塁と堀の痕跡からかつての方形区画の館跡を想像することができます。

築城等に関する詳細は不明ですが、千葉一族の庶流である堀川氏の居館と伝わっています。堀川氏についての詳細も不明ですが、『神代本千葉系図』には、椎名胤光の子に胤次、清胤の名前が載っており、それぞれ堀河四郎、同又四郎と脇書されています。このことから、堀川氏は千葉一族椎名氏の分家であることが推察されていて、鎌倉時代に堀川の地頭職を得て、代々この地を治めていたとされています。

戦国時代には、野手周辺を領していた同じく千葉一族椎名氏の庶流である野手氏によって堀川館は攻められ、堀川氏は家臣ともども討ち死にしたと地元に伝わっています。
また、『天正十八年千葉家落城両総城々』には、天正18年(1590年)に椎名山城守が堀川館の城主だったと記されています。

発掘調査では、奈良時代から江戸時代にかけての遺物が出土していることから、継続的にこの地に地域の中心的な施設があったと考えられます。また、明治初年には堀川館の跡地に三河西端藩の陣屋が設けられました。

 

【御城印デザインのご説明】

千葉一族堀川氏の居館と伝わる堀川館の御城印には、千葉一族の家紋「九曜」をデザインしました。現在鎮座する星宮神社の旧号は「妙見大菩薩」だったといい、妙見信仰を重んじていた千葉一族との繋がりが推察できます。この神社は堀川氏が勧請したとも、堀川氏の後に入った野手氏が勧請したとも伝わっています。

堀川館の発掘調査では、台と歯を一木から作る鎌倉時代の連番下駄が出土しています。実際は下駄の台のみの出土ですが、御城印にはイメージとして下駄完品の絵を描きました。 他にも堀川館からは15世紀の土鍋、内耳土鍋、17世紀以降の陶磁器など、多数の生活用品が発掘調査から見つかっています。

さらに、調査ではフイゴの羽口や鉄滓が見つかっていて、周辺には「鍛冶屋」という字名も残ることから、この地域で中世から近世にかけて鍛冶が行われていたと推察されています。また、堀川館は微高地を巧みに利用して築かれた居館であることから、地形が分かる地図を配置しました。


3月25日(土)から販売開始!

販売場所
〇そうさ物産センター匝りの里(めぐりのさと)
千葉県匝瑳市八日市場イ137-1
電話番号 0479-73-5015
営業時間9時から18時
年中無休

〇まるごとしすい
千葉県印旛郡酒々井町飯積 2-8-2 
043-376-6810
営業時間 9時~18時 
定休日 毎週月曜日(但し、月曜日が祝日の場合は営業で、翌火曜日がお休みになります)

 

 

 

 

 

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2023年3月18日 (土)

岡山県井原市 高越城&北条早雲ツアーレポ・前編

岡山県井原市で歴史ツアーをやらせていただきました。
テーマは「北条早雲」
メインスポットは「高越城」
これらを中心に丸一日、周辺の歴史や文化を楽しみました✨
(今は伊勢宗瑞という呼び方が主流になってきている早雲ですが、井原では「北条早雲」という通称に敬意を込めてよんでいるので、このブログも北条早雲で通します)


集合は井原鉄道の「早雲の里荏原駅」!
そのままズバリの駅名です。

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早雲は備中伊勢氏を出自とし、ここ井原(中世の荏原荘)で生まれたとも伝わっています。
高越城が備中伊勢氏の居城なので、高越城が早雲生誕の地ともいわれているのです。


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駅前では有名な武者姿の早雲肖像画をモチーフにした早雲像がお出迎えしてくれます✨
この武者姿の肖像画は今回ツアーでお参りさせていただく法泉寺さま所蔵。
武者姿の肖像画は今のところ1点しか確認されていないとても貴重なものなのです。
さすが備中伊勢氏の本拠地!


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駅前の案内所にはデニムの幟が!
日本綿布(株)さんが作ってくれたそうです。
かっこいー!!


当日は高越城顕彰会の皆さまも、おもてなししてくれました。
そして、なんと井原市長(大舌勲市長)も駆けつけてくれて、一緒に高越城にのぼってくれました✨
嬉しかったです。


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今回のツアー開催のきっかけは、井原市さんからお声かけいただいたこと。
そもそも、北条早雲のルーツである井原市さんからお声かけいただいたのは本当に光栄で。
早雲の偉業を伝える媒介役をやりたい!西と東の歴史を繋げたい!
と、連絡いただいた瞬間に思いました。
本当に有り難かったです。

三浦一族の本拠地で生まれ育った私にとっては、北条早雲は三浦一族を滅ぼした最大の敵!
…なんですけど、やはり早雲はスゴイ。
その存在と軌跡が、敵(笑)でありながらワクワクさせてくれる大好きな人物です。

今川家のお家騒動、小鹿範満の乱をきっかけに駿河国にやってくる早雲。
それには太田道灌の死も大きく関係してたと思われますし、西と東の歴史が早雲を通して多面的に見えてきますし、そこから三浦一族の滅亡へのカウントダウンも聞こえてくる気がします。

とにもかくにも、そんな早雲の生誕地ともいわれる荏原荘、
備中伊勢氏の居城高越城のお仕事をお声かけいただいたときの喜びったら♡

ということで、現地に入ってみたら…

まぁ、あるじゃないかあるじゃないか。
面白い歴史資源が!宝の山だー!

荏原荘は源平合戦で武功をあげた那須与一が恩賞として地頭職に任命された場所。
あの那須与一ですよ!それだけでスゴイ!
そのため、那須氏の歴史が井原市にはたくさん眠ってます。
那須氏の山城、寺、そのた梵鐘などの文化財。
那須一族テーマに何本かツアーできそう。いつかやりたい。


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那須氏の菩提寺「永禅寺」


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永禅寺にある那須一族のお墓


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実は、なんと、井原鉄道井原駅は那須与一をテーマにした駅舎となっています。
正面の尖ったのは矢をモチーフ。屋根は弓です。
そして、その正面には…


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じゃじゃーん!
扇の的です。しかも、扇の的の穴から弓矢を覗くと、的に突き刺さっているように見えるのです。
素敵な仕掛け。
ぜひ、穴から弓矢を覗いて、射られた感を楽しんでください笑


現地と打ち合わせをしたり、井原市の皆様、高越城顕彰会の皆様と下見をしたり、いろいろと教えていただいて。
ツアーに合わせて、御城印も作らせていただきました。
備中伊勢氏の菩提寺である法泉寺様にもとてもお世話になりました。
ご厚意で、江戸時代に書かれた有名な早雲の武者姿の絵図を御城印に使わせてくださいました。
さらに、早雲の禁制の花押もデザインとして使わせていただきました。
こちらは、早雲の初期の花押とされていて、関東では見ることができない貴重な花押です。
ありがたいことです。


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このように、井原の方々のたくさんのご協力を得て御城印発行&ツアーが開催されました。
そして、迎えたツアー当日。

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わーい、快晴。
最高の天気。まだ、3月上旬だというのに初夏のような20度超え。
汗ばむ陽気でしたが、楽しいウォーキングになりました。
取材にも来ていただきましたよ✨


今回のコースはコチラ。
早雲の里荏原駅⇒大岩刻⇒新九郎薬師⇒高越城⇒主郭で昼食(早雲弁当!)⇒山上山城⇒横畑城⇒刀工女国重⇒井原鉄道基地⇒法泉寺⇒井原デニム⇒早雲の里荏原駅

もりだくさんの一日。
あっというまに帰る時間になりました。
まずはツアー第1弾が終了。
ここから、井原市に眠る山城などの色んな歴史資源をツアーやったり、御城印出したり、学生達にお話したり…など。
いろいろと繋がると良いなと思います。

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思い出しても本当に楽しかった。
まだ余韻に浸ってる✨


では、ツアーレポSTART!
まず最初は、(だいがんこく)へ。
大岩刻は、正徳5年(1715年)に大岩に刻まれた碑文です。

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早雲が亡くなったのは1519年ですが、地元では早雲の200回忌の法要のために1715年に刻まれた銘文と伝わっています。
銘文には「普早雲寺殿天岳瑞公大居士墳」と書かれています。
法要を行って岩に銘文を刻んだのは、備中伊勢氏の家臣平井氏とされています。
ちなみに、この大岩があるのは平井氏の居館があったと伝わるエリアです。

早雲が亡くなって200年ほどしても、このような法要がされたということがこの地域の歴史を物語っていますね。

早雲の家臣としては、平井氏、笠原氏、井上氏が最古参だと考えられています。
その中でも平井氏は最後の備中伊勢氏当主を養子にしているので、家臣団の中でも別格だったのかもしれません。
さらに面白いのは、大岩刻の下に「道了尊」が祀られていること。


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道了尊は、最乗寺(神奈川県南足柄市)ゆかりの信仰。
最乗寺の僧であった道了は、山と寺と教えを守るため、山に入り天狗になったと伝わっています。

そして、北条早雲が小田原に入ると最乗寺をとても大事にし、以降も小田原北条氏が厚く帰依したと伝わっています。
その最乗寺ゆかりの道了尊がここ高越城の麓、平井氏の居館跡の伝承エリアに祀られているのです。

と、いうことは…。
この周辺を領地としていた平井氏と最乗寺の関係が感じられますし、江戸時代になっても井原市の平井氏と小田原の最乗寺が早雲を通して繋がっていたということが推測できますね。
家臣一族の中でも井原に残った者と付いていった者と。
そして、小田原まで付いていった平井氏をはじめとする家臣達もずっと井原と繋がっていたんですね。
ロマンですね。



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大岩刻を下から見るとこんな感じ。
大岩刻は花崗岩の岩山に刻まれています。切り立った岩盤の山。

古くからの信仰の山、ご神体のような雰囲気の残る山です。古くは修験の山だったのかもしれません。


大岩刻の麓の平井氏の屋敷があったと伝わっている谷は、とてもイイ感じの根古屋風景が残っています。
平井氏の墓所もあり、そこには伊勢盛時(北条早雲)とその父盛定の墓と伝わる石塔が建てられています。
盛時神社なるものも祀られていて、まさに重臣平井氏の存在を感じられます。
現地に行かないと分からない感動を味わえました✨

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このあたりが平井氏の居館があったと伝わるとこ。
雰囲気よくて、歴史を想像するのが楽しい景色でした。


お次は新九郎薬師へ。
新九郎薬師は高越城の東麓に安置されている薬師如来さまです。
通常非公開ですが、ツアーでは特別にご開帳いただきました。
やったー。

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伝承では、あるとき故郷の井原に戻った早雲がこの薬師如来を祀ったと地元には伝わっています。
背中に「祈願主新九郎」と刻まれていて、江戸時代の修復のときに刻まれたと思われています。
薬師如来像はその造形から平安時代後期から鎌倉時代のものと指摘されていて、早雲の時代ではないですが、江戸時代にこの地域がこの薬師如来に早雲の伝承を仮託する地域だったということがとても面白いと思います。
江戸時代になっても、この高越城の麓には早雲の存在が深く刻まれていたのですね。


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ちなみに高越城の東麓は「神代(こうじろ)」という地名です。ここには早雲の最古参家臣「笠原氏」が屋敷を構えていたと伝わり、いまでも笠原氏屋敷の土塁と伝わる御土居などが残ります。
笠原氏は早雲とともに東に向かい、最後は小机城(横浜市)の城主になりました。
今でも横浜市に御子孫がお住まいです。小机城の近くにある笠原氏の菩提寺雲松院は、もとは早雲の菩提御弔うために笠原氏が創建したとされています。
井原と横浜が歴史で繋がりました。感動~✨

高越城に登る前にもたくさんの発見と感動が!
さて、いよいよ登城開始です。

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がしかし、長くなったのでこのへんで。
次回は高越城からのツアー後編をお届けします✨
お楽しみに!




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2023年3月15日 (水)

衣笠BASE《vol.4》日にち決定


今年からスタートした「衣笠BASE」!
衣笠商店街のみなさまと企画した楽しく温かいイベントです♪
毎月、商店街の美味しいお店を回ります。

今日はvol.3でした。

 

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なんか、この写真ワイルド笑

会場は宝来屋さん。アジフライが大きくて、とても人気のお店です。
今回の衣笠BASEでは、美味しさぎっしりのお弁当を用意していただきました。白身のフライと、ヒレカツ美味しかったー🙌 

 

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今度はアジフライか鰻を食べに行こうと思いまする🙋‍♀️

 

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そして、とっても嬉しかったのが参加者プレゼントとして、和菓子屋の永治堂さんがクッキーを作ってくださったこと。三つ引きハッチ(三浦平八)パッケージの美味しいクッキー❤

感動🥺うるうる🥲

 

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と、いうことで。

vol.4の日程が決まりました✨
ご都合よろしければお越しください♪

1時間程度のトークショー&1時間程度の懇親会のイベントです。
衣笠いい街、商店街サイコー✨

衣笠BASE vol.4
日時:2023年4月10日(月)19時~21時
会場:未定
会費:3000円(税込み)

※要予約。予約はコチラ⇒rekitoki@rekitoki.com
(お申し込みはメールのみの受付とさせていただきます。お名前と電話を教えてください)
※当日現金払い
※軽食付き
※ドリンクは別途料金。個別会計。

 

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2023年3月14日 (火)

逗子神武寺ツアーのモデルコース

以前開催した逗子市観光協会さまのツアー。
こちらのモデルコースを逗子観光協会さまのHPに掲載いただきました。

お一人で、ご家族と、お友達と
是非歩いて見て下さい✨

逗子の歴史めぐり~地元の歴史を掘り起こそう~「いざ、神武寺から沼間へ!」|モデルプラン|【公式】逗子市/観光ワーケーションサイト 逗子旅 (zushitrip.com)

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2023年3月11日 (土)

砂町文化センター講座のお知らせ

新しく募集開始になりましたのでお知らせします✨

砂町文化センターの4回セットの講座です。
抽選になると思いますが、良かったらお申し込み下さい。

ミステリーツアーですって。
面白そう♪

講座情報 | 砂町文化センター | 公益財団法人 江東区文化コミュニティ財団 (kcf.or.jp)


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2023年3月 9日 (木)

海城サミット・講演会&ツアー開催しました

内房線エリアで海城サミットが開催されてます。

先月は講演会とガタゴトバスツアーがありました✨
講演会は滝川恒昭先生の講演と、袖ヶ浦市郷土博物館顧問の井口さんと私のトークショーでした。

滝川先生の講演は、今まで読んでた先生の論文などの理解も深まったし、とても勉強になりました。楽屋でもいろいろ教えていただいてありがたかったです✨

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井口さんとツーショット✨
お話しがとても楽しい素敵な井口さん♪
何度も一緒に袖ケ浦周辺のお城や歴史めぐりをしていただいてます。


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井口さんとのトークショーは、あれ話そう、これ話そうと、2人で打ち合わせる時間が勉強になるし楽しいしで貴重な時間でした♪

 

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お城と湊、水の関係などにも触れていただきました。
面白かった!

 

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ガトガトバスツアーは金谷集合だったので、久里浜からフェリー。
フェリー最高♡

海賊気分で海城に出陣!


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今回は電光掲示板に「山城ガールむつみといくガタゴトバスツアー」と入れていただきました✨
嬉しい!!

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金谷城からの江戸湾!

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ガタゴトバスツアーは金谷城、勝山城、妙本寺、頼朝上陸の地へ。
金谷城はTJKリゾート(東京都情報サービス産業健康保険組合)の敷地ですが、御城印発行をきっかけに多大なご協力をいただきいてます🙌

 

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限定公開ではあるものの、主郭や四脚門出土場所などを見学できるのです🙌
TJKリゾートでは草刈り、説明案内板設置や館内展示なども行ってくれてます。
金谷城をイメージしたレゴの作品も飾られてます。

 

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お城&歴史好きを代表してありがとうと言いたい📣

 

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3/19までデジタルスタンプラリーも開催されてますので是非。
https://www.tsukahara-li.co.jp/?page_id=330

内房線活性のための企画でもあるので、よかったら電車に乗ってお出かけください🚃

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2023年3月 7日 (火)

城組コンビの対馬ブログ

城組コンビの対馬ブログが公開になりました✨

プロローグ、1〜6までがさちこ組長、7〜10がむつみ副組長が担当しましたー!
どちらも対馬の魅力満載の記事になってるので、ぜひ読んでみてくださいませ♪

ちなみに、それぞれの記事は続きものになってますが、さちこさんと私の記事は繋がってないので、どちらから読んでいただいてもオッケーです(^^)

城組ブログ | 一般社団法人 城組 (4693shirogumi.com)

対馬に行ってみたい!と、思っていただけたら嬉しいです✨


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2023年3月 2日 (木)

千葉歴史ツアー募集開始のお知らせ

千葉市観光協会設立40周年記念
『山城ガールむつみ』とめぐる千葉の歴史ガイドツアー

募集開始になりました✨

40週記念ですって。
光栄です♡

都市化された千葉市内を歴史の痕跡、千葉一族の足跡を探しながら歩きます。
今でこそ、「千葉市内」=「海」のイメーがないですが、この地域は海に面した水上交通の発達したエリアです。

千葉氏の歴史を紐解いて、地域に埋もれた物語を楽しみたいと思います。
平安時代から戦国時代まで。
色んな時代の歴史を楽しみましょう♪

詳細やお申し込み方法はこちらをご覧下さい。

千葉市観光協会設立40周年記念『山城ガールむつみさん』とめぐる千葉の歴史ガイドツアー申込について<3/30(木曜)> | 千葉市観光協会公式サイト/千葉市観光ガイド (chibacity-ta.or.jp)

 

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2023年3月 1日 (水)

衣笠BASE vol.3 お店決定

衣笠BASE vol.3のお店が決まりました✨
参加申込はあと数名となっております。

1時間程度のトークショーと、1時間程度の懇親会を予定しています。
軽食が付きます。ソフトドリンク、アルコールお飲みの方は別途個別会計となります。
三浦一族にまつわる話や、楽しい歴史トークをさせていただきます。
ぜひ、ご参加下さい。

鎌倉殿の13人は最終回を迎えましたが、衣笠は今年も熱く盛り上がりますよ🔥

衣笠BASE vol.3
日時:2023年3月14日(火曜)19時~21時
会場:宝来屋
宝来屋 - 衣笠/食堂 | 食べログ (tabelog.com)
会費:3000円(税込み)

※要予約。予約はコチラ⇒rekitoki@rekitoki.com
(お申し込みはメールのみの受付とさせていただきます。お名前と電話番号を教えてください)

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