書籍の紹介『描かれた中世城郭』
たまには書籍の紹介です。
今月発送された三浦大介新聞に寄稿した内容です✨
よかったら、お手に取ってみて下さい。
『描かれた中世城郭(竹井英文・中澤克昭・新谷和之編)』吉川弘文館
本著は鎌倉時代から織豊期の城郭の姿を城絵図、屏風、絵巻物から紐解き、浮かび上がらせようとアプローチしています。中世の城館は、当時の姿を頭の中で思い浮かべるのは難しく、発掘調査や縄張図などである程度の脳内復元はできるものの、やはりなかなかに難易度が高い。
本著では鎌倉・南北朝期、室町・戦国期、織豊期に分けて、全ぺージフルカラーで、35を超える城館が紹介されており、ページをめくるごとにワクワクします。
掲載される絵図などは、中世に描かれたものに特化しており、当時の城のあり方、捉え方により迫れる内容になっています。
これだけ城に関連する絵図史料を集めている本は他になく、当時の人がどのような城の姿を見ていたのかを想像するための素晴らしい材料になるといえます。
「城」は時代ごとに概念や姿が違うため、描かれた時代の「城」が絵図などに反映されています。その点を考えても中世に描かれた城の絵図は貴重です。
源平合戦のひとつである「衣笠合戦」が繰り広げられたときの衣笠城はどのような姿だったのでしょう?
平安時代の城は軍事要塞ではなく、武家の本拠地であり、信仰地であり、一族の心のよりどころです。
この本には衣笠城の絵図は載っていませんが、同時代の絵図が掲載されているのでヒントになります。
本著を眺め、読みながら、衣笠合戦が繰り広げられた衣笠城の姿を想像して楽しむのもいいですね。
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